
給食会社が特定技能外国人を採用する方法|条件・費用・手続き(2026年10月時点)
公開日: | 最終更新日:
2026年10月時点で、病院・福祉施設などの給食業務に外食業分野の特定技能1号の外国人を海外から新たに呼び寄せる申請は、2026年4月13日以降の受理分が原則不交付です。今取りやすいのは、外食業分野で在留中の人の転職受入れや、給食センター型の事業所での飲食料品製造業分野の受入れなどです。
医療・福祉施設給食業等を令和9年度から飲食料品製造業分野で受け入れる案は、2026年10月24日時点で決定していません。この記事では、今できることと2027年度以降の見通しを分けて、条件・流れ・費用の目安と今から進められる準備を整理します。

執筆者
特定技能外国人紹介・支援担当
武藤 拓矢(むとう たくや)
- 申請等取次者
- 外国人雇用管理主任者
合同会社エドミール代表。特定技能に特化した登録支援機関として、人材紹介から入社後の定着伴走まで支援。コミュニケーション量を重視し、長期定着につながる伴走を大切にしています。
目次
給食会社は今、特定技能外国人を採用できるのか
給食業務で外食業分野の特定技能1号の外国人を海外から呼び寄せる申請は、2026年4月13日以降の受理分が原則不交付です。外食業分野で在留中の人の分野内転職と在留期間の更新は審査が続いており、給食センターなど飲食料品製造業分野の対象事業所なら、同分野で受け入れられる場合があります。
医療・福祉施設給食業等を令和9年度から飲食料品製造業分野へ移す案は、2026年10月19日の有識者会議で示されましたが、決定ではありません。申請の時期ごとの扱いは次のとおりです。
| 時期 | 外食業分野の特定技能1号での主な扱い(給食業務) |
|---|---|
| 2026年4月12日までの受理分 | 在留資格認定証明書は、受入れ見込数の範囲で交付可能な場合に原則受付日順で交付(10月16日時点で受付日2月6日分まで) |
| 2026年4月13日〜9月30日の受理分 | 認定証明書は原則不交付。分野内転職・在留期間更新、技能実習(給食製造作業)と特定活動(移行準備)からの変更は審査対象 |
| 2026年10月以降の受理分 | 分野内転職と在留期間更新は審査対象。認定証明書は原則不交付。技能実習・特定活動からの変更は公表資料に記載なし |
| 令和9年度以降(案) | 医療・福祉施設給食業等の新規申請を飲食料品製造業分野で受け入れる案 |
※出入国在留管理庁「特定技能1号(外食業分野)の在留諸申請の審査状況」(2026年10月19日掲載)と第15回有識者会議資料2-2をもとに作成。10月以降受付分の技能実習・特定活動からの変更の扱いは、同ページに記載がありません。
病院・福祉施設の給食は外食業分野で新規受入れが止まっている
医療・福祉施設の給食業務はこれまで外食業分野で受け入れてきましたが、外食業分野の特定技能1号は受入れ見込数を超える見込みとなりました。そのため、2026年4月13日以降に受理した1号の在留資格認定証明書の交付申請は原則不交付、一部の例外を除く在留資格の変更申請は原則不許可です。
4月12日以前に受理された申請は、在留資格変更の処理を優先しつつ、受入れ見込数の範囲で原則受付日順に交付されています(順番が前後する場合あり)。すでに申請済みなら順番を待ち、まだ申請していないなら今は通らない、と手元の状況で分けて考えましょう。
停止中も審査が続くのは分野内転職と在留期間更新
外食業分野の特定技能1号で在留中の人が、別の外食業分野の事業者へ転職する変更申請は、全件が審査の対象です。在留期間の更新も通常どおり審査されています。
技能実習(医療・福祉施設給食製造作業)と特定活動(特定技能1号移行準備)からの変更は、受付日が2026年9月30日までの申請が対象とされています。10月以降受付分の扱いは公表資料に記載がないため、確実に検討しやすい経路は在留中の人の転職受入れです。
給食センター型の事業所は飲食料品製造業分野で受け入れられる場合がある
センター方式の集中調理施設で、専ら調理を行う機能だけに特化した独立事業所は、飲食料品製造業分野で受け入れられます。弁当製造は卸売型が対象で、仕出し・デリバリーなどは外食業に分類されるため、接客の有無や施設名称だけでは判断できません。
同じ給食会社でも、施設内の厨房で調理する現場と、自社工場で製造して配送する現場では分野が分かれます。判定は事業所ごとに行われるため、配属先ごとに確認しましょう。
令和9年度から飲食料品製造業分野で受け入れる案の範囲
案は、医療・福祉施設給食業等の新規申請分を、令和9年度から緊急的措置として飲食料品製造業分野で受け入れるものです。学校教育、その他の教育・学習支援業、医療業、社会保険・社会福祉・介護事業の事業所で施設給食業を営む場合を、対象事業所に加える内容です。
| 案で示されたこと | まだ決まっていないこと |
|---|---|
| 令和9年度から、新規申請分を飲食料品製造業分野で受け入れる | 正式決定の時期と、具体的な受付開始日 |
| 医療・福祉・教育の事業所で施設給食業を営む場合を対象に追加 | 受託給食会社や学校給食の直営・委託ごとの細かな判定基準 |
| 育成就労の主たる技能「医療・福祉施設給食製造」を付け替え | すでに外食業分野で働く人の扱い |
特定技能以外で給食の調理現場に雇える在留資格
永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者の人は、在留カードで就労制限がないことを確認できれば、給食の調理や調理補助に雇用できます。留学生や家族滞在の人は、資格外活動許可を受けていれば原則週28時間以内のアルバイトとして働けます。
| 在留資格 | フルタイム | 業務の制限 | 確認する書類 |
|---|---|---|---|
| 永住者・定住者・配偶者等 | 可 | なし | 在留カード |
| 留学・家族滞在 | 原則不可(留学は長期休業期間中の例外あり) | 資格外活動許可の範囲で原則週28時間以内 | 在留カードと資格外活動許可 |
| 特定技能1号(外食業) | 可 | 外食業分野の業務 | 在留カードと指定書 |
| 技術・人文知識・国際業務 | 可 | 調理補助を主な業務とする雇用は該当しにくい | 在留カード |
身分に基づく在留資格は業務内容の制限がない
永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者は、在留カードの就労制限の有無欄で制限がないことを確認すれば、日本人と同じ条件で雇用できます。調理・盛付・洗浄を含む給食業務のどれにも就けます。
- 在留カード表面の「就労制限の有無」欄を確認する
- 在留期間の満了日を確認し、更新の時期を管理する
- 出入国在留管理庁の在留カード等読取アプリなどで偽変造がないか確かめる
留学生・家族滞在のアルバイトは週28時間以内
留学生や家族滞在の人は、資格外活動許可があれば原則週28時間以内で給食業務のアルバイトができます。上限を超えて働かせると、事業者側も不法就労助長に問われるおそれがあります。
留学生は、在籍校の長期休業期間中に限り1日8時間以内の就労が可能です。家族滞在にはこの例外はありません。
- 週28時間は、ほかの勤務先と合算した時間で数える
- 採用時に掛け持ちの有無を確認する
- シフトを組む段階で合計時間を管理する
技術・人文知識・国際業務や技能実習・育成就労の位置づけ
技術・人文知識・国際業務の該当例は技術者・通訳・デザイナーなどで、調理補助を主な業務とする雇用は該当例に挙がっていません。育成就労制度は2027年4月に運用開始予定ですが、技能実習には一定の条件で継続できる経過措置があり、一律に切り替わるわけではありません。
給食会社と外国人本人に求められる条件
特定技能1号の場合、外国人本人は分野ごとの技能試験と日本語試験(JFT-BasicまたはJLPT N4以上)の合格か、対応する技能実習2号の良好な修了が基本です。会社側は、事業所が受入れ分野の対象であること、直接雇用で日本人と同等以上の報酬にすること、支援体制を整えること、食品産業特定技能協議会へ加入することが求められます。
受入れ要件と流れの一般形は、製造業の特定技能受け入れ完全ガイドで詳しく解説しています。ここでは給食会社が迷いやすい点に絞ります。
自社の事業所がどの分野に当たるかを先に確かめる
受入れ分野は会社単位ではなく事業所単位で、日本標準産業分類の区分や接客の有無で判断されます。同じ給食会社でも、病院・福祉施設内の厨房と自社の給食センターでは、対象分野が異なる場合があります。
| 事業所の形態 | 2026年10月時点の分野 | 令和9年度案での分野 |
|---|---|---|
| 病院・福祉施設・学校の施設内厨房 | 外食業(新規受入れは原則停止中) | 飲食料品製造業(案) |
| 調理機能に特化した独立の給食センター・セントラルキッチン | 飲食料品製造業 | 飲食料品製造業 |
| 社員食堂 | 外食業(新規受入れは原則停止中) | 外食業 |
※最終的な判定は、出入国在留管理庁や農林水産省の案内で事業所ごとに確認してください。
外国人本人は技能試験と日本語試験の合格が基本
飲食料品製造業分野では、飲食料品製造業特定技能1号評価試験と日本語試験の合格が必要で、関連する技能実習2号を良好に修了した人は試験が免除されます。技能試験は分野ごとに別なので、外食業分野の合格証で飲食料品製造業分野に代えられるかは確認が必要です。
候補者が持っている合格証の分野によって、受け入れられる事業所が変わります。面接の前に、合格証の種類と発行日を確認しておきましょう。
会社側は直接雇用・同等報酬・支援体制・協議会加入が必要
特定技能外国人は派遣ではなく直接雇用が原則で、報酬は同じ業務に就く日本人と同等以上にする必要があります。1号の義務的支援は自社で行うか登録支援機関に委託でき、受入れ機関は食品産業特定技能協議会への加入が必要です。
協議会は飲食料品製造業分野と外食業分野が共同で設置しており、在留諸申請の前に加入します。農林水産省は、加入審査に2〜3か月程度かかると案内しています。
給食会社が外国人を採用する流れと期間
国内在住者の採用でも、初めて協議会に加入する場合は加入審査だけで2〜3か月程度かかるため、事業所の分野確認から就労開始まで数か月単位で見込みます。海外から呼ぶ場合は、在留資格認定証明書の交付後に現地で査証を取って入国します。
- 配属する事業所が外食業か飲食料品製造業かを確認する
- 候補者が国内在住か海外在住かを確認する
- 求人・面接を行い、雇用契約を結ぶ
- 支援計画を作成し、協議会へ加入する
- 在留資格の変更許可申請または認定証明書交付申請を行う
- 許可・入国後に就労を開始する
給食業務で外食業分野として海外から呼ぶ申請は原則不交付のため、現時点の実務は国内の転職者か、飲食料品製造業分野の対象事業所での受入れが中心です。
国内在住の外国人を採用する場合
外食業分野で在留中の特定技能1号の人を給食の現場へ迎える場合は、所属機関の変更に伴う在留資格変更許可申請が必要です。許可が出る前に、新しい職場で働かせることはできません。
- 前職での退職日と、届出の提出状況
- 在留カードの在留期間と指定書の分野
- 前職の登録支援機関から引き継ぐ生活面の支援内容
海外から呼び寄せる場合
海外の候補者は、在留資格認定証明書の交付、現地での査証申請、入国の順になり、国内採用より時間がかかります。給食業務の特定技能1号では、外食業分野の認定証明書が原則不交付のため、配属先が飲食料品製造業分野の対象事業所に当たる場合に限って現時点で検討できます。
令和9年度案が決まった場合に備えるなら、候補者の試験の受験時期と住居の確保を逆算して計画しておくと動きやすくなります。
申請書類と審査期間の目安
申請書類は外国人本人・受入れ会社・分野固有の書類に分かれ、協議会の加入審査だけでも2〜3か月程度かかります。外食業分野の認定証明書は受入れ見込数の範囲で原則受付日順に交付され、2026年10月16日時点では受付日2月6日分までです。
書類の一覧は特定技能の申請書類一覧で確認できます。飲食料品製造業分野では、協議会から事業所の業態が分かる資料を求められる場合があります。
給食会社の外国人採用にかかる費用の目安
当サイトの特定技能サービスの掲載料金では、人材紹介料10万円〜、義務的支援の初期費用10万円〜、支援委託費1.8万円〜/人・月が目安です。在留資格申請費用と海外採用時の渡航費・宿泊費は別途で、給食分野に同じ料金が適用されるかは個別の見積もりで確認してください。
| 費目 | かかる時期 | 当サイト掲載の目安 |
|---|---|---|
| 人材紹介料 | 採用時 | 10万円〜 |
| 義務的支援の初期費用 | 採用時 | 10万円〜 |
| 支援委託費 | 毎月 | 1.8万円〜/人・月 |
| 在留資格申請費用 | 申請時 | 別途 |
| 渡航費・宿泊費(海外採用) | 入国時 | 別途 |
初期費用と毎月の支援費に分けて考える
採用時に一度かかる紹介料・申請関係の費用と、雇用期間中に毎月かかる支援委託費は、性質が違うため分けて比較します。支援を自社で行う場合は委託費がかからない代わりに、支援責任者の選任や生活オリエンテーションなどの体制が必要です。
費用の詳しい試算は、特定技能の受け入れ費用相場で紹介しています。
国内採用と海外採用で変わる費用
海外採用では渡航費・宿泊費や入国前後の支援が加わり、国内在住の転職者より費用が増えます。施設内厨房だけの給食会社は国内の転職者が中心になるため、海外採用の費用は令和9年度案が正式に決定した場合の検討項目として考えるのが現実的です。
受入れ開始までに給食会社が今から準備できること
受入れの可否が固まる前でも、作業手順書のやさしい日本語化、衛生管理とアレルギー対応の教育計画、早朝・土日を含むシフトと住居の用意は進められます。事業所の分野と採用ルートを相談先と事前に確認しておけば、制度が固まった時点ですぐ申請に移れます。
移管案の内容と未決定の点は、2027年の給食業務の移管案で詳しく解説しています。
早朝・土日シフトと住居を先に決める
給食現場は早朝出勤や土日勤務が多いため、通勤手段と住居、シフトの組み方を採用前に決めておくと、内定後の辞退や早期離職を防ぎやすくなります。
- 始業時刻に間に合う通勤手段(自転車・送迎・社宅など)
- 土日・祝日の勤務と休日の組み方
- 入居できる住居と、初期費用の負担方法
衛生管理とアレルギー対応の教え方を整える
特定技能1号には、特段の訓練なく直ちにHACCPに沿った衛生管理に対応できる程度の技能が想定されています。ただし施設ごとのアレルギー対応や治療食の手順は、受入れ後に教える必要があります。
- 献立表とアレルゲン表示の読み方
- 計量・盛付の確認手順と、ダブルチェックの方法
- 症状に応じた調理(刻み食・とろみ食など)の手順
相談先を決めて事業所の分野と採用ルートを確認する
事業所の分野判定と採用ルートは、出入国在留管理庁や農林水産省の相談窓口、登録支援機関、行政書士に早めに確認しておくと、制度決定後の申請準備を短縮できます。
- 事業所の業態(施設内厨房か、給食センターか)
- 1日の提供食数と主な調理工程
- 雇用予定の人数と時期
当社は登録支援機関の合同会社エドミールと連携し、給食事業者の特定技能受入れにも対応しています。事業所の分野確認や採用ルートの整理は、特定技能外国人の紹介・支援サービスの無料相談で承ります。
よくある質問
- 派遣社員として特定技能外国人を給食現場に受け入れられますか?
- 外食業分野・飲食料品製造業分野の特定技能は直接雇用が原則で、派遣での受入れはできません。自社で雇用契約を結ぶ必要があります。
- 学校給食の調理場は令和9年度案の対象になりますか?
- 案では、学校教育の事業所で施設給食業を営む場合も対象事業所に加える内容です。自校方式の調理場や委託の扱いなどの細部は、正式決定後の資料で確認が必要です。
- すでに外食業分野で雇っている特定技能外国人は令和9年度以降どうなりますか?
- 現行制度では、在留期間の更新と外食業分野内での転職は通常どおり審査されています。移管に伴う経過措置などは、現時点では示されていません。
- 外食業分野の技能試験に合格した人は飲食料品製造業分野で働けますか?
- 技能試験は分野ごとに分かれており、飲食料品製造業分野では同分野の評価試験の合格などが必要です。移管案の資料では、外食業の合格者の扱いは示されていません。
- 育成就労で給食の人材を受け入れられますか?
- 育成就労制度は2027年4月に運用開始予定です。移管案では、育成就労の主たる技能「医療・福祉施設給食製造」を飲食料品製造業の業務区分へ付け替える内容が示されています。
給食会社の外国人採用まとめ
2026年10月時点の給食会社の主な選択肢は、外食業分野で在留中の人の転職受入れ、給食センター型の事業所での飲食料品製造業分野の受入れ、身分に基づく在留資格の人や留学生アルバイトの雇用です。令和9年度からの移管案は未決定のため、正式決定を待ちながら事業所の分野確認と受入れ準備を進めるのが現実的です。
- 施設内厨房だけの会社は、在留中の外国人の転職受入れと、令和9年度案の決定を待つ準備を並行する
- 給食センターを持つ会社は、その事業所で飲食料品製造業分野の受入れを検討する
- すでに外国人を雇用中の会社は、在留期間の更新時期と移管案の続報を確認する
自社の事業所が対象になるか迷う場合は、お問い合わせフォームからご相談ください。
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