飲食料品製造業の協議会とは?加入時期・必要書類・手続きの流れ(2026年10月時点)

公開日: | 最終更新日:

特定技能「飲食料品製造業」で外国人を受け入れる企業は、出入国在留管理庁へ在留資格の申請をする前に、農林水産省が運営する「食品産業特定技能協議会」へ加入し、加入証を受け取っておく必要があります。入会金や年会費は当面かかりませんが、書類を出してから加入証が届くまでおおむね2〜3か月かかります。

この記事では、加入が必要な人、加入の時期、申請の流れと必要書類、加入後に守ること、給食事業者が2027年度の移管案(2026年10月24日時点で未決定)に備えて確認したいことを、農林水産省と出入国在留管理庁の公表資料をもとに整理します。

武藤 拓矢

執筆者

特定技能外国人紹介・支援担当

武藤 拓矢(むとう たくや)

  • 申請等取次者
  • 外国人雇用管理主任者

合同会社エドミール代表。特定技能に特化した登録支援機関として、人材紹介から入社後の定着伴走まで支援。コミュニケーション量を重視し、長期定着につながる伴走を大切にしています。

飲食料品製造業の協議会「食品産業特定技能協議会」とは

飲食料品製造業分野の協議会は、農林水産省が運営する「食品産業特定技能協議会」です。外食業分野と共同で設置されており、受入れ機関と登録支援機関が構成員になって、制度の周知・法令遵守の啓発・地域の人手不足の把握などに協力します。

協議会の構成員であることは、飲食料品製造業分野で受け入れるための上乗せ基準の一つです。分野の対象事業所や試験など全体像は、特定技能「飲食料品製造業」の解説で詳しく整理しています。

外食業分野と共同で設置されている

協議会は2019年3月29日に設置され、飲食料品製造業分野と外食業分野の協議会を兼ねています。会長は農林水産省の大臣官房総括審議官で、受入れ機関や登録支援機関のほか、業界団体、学識経験者、出入国在留管理庁・厚生労働省などの関係省庁も構成員です。

運営は農林水産省の担当課が事務局として行い、おおむね3か月に1回、書面やメールで会員に運営の状況などを報告します。

協議会が担う主な活動

協議会の規約では、特定技能外国人の適正な受入れと保護に向けて、次のような活動を定めています。

  • 制度の趣旨や優良事例の周知、受入れ機関への法令遵守の啓発
  • 受入れ機関が倒産したときなどの、外国人の転職支援
  • 地域別の人手不足の状況の把握と分析
  • 大都市圏への集中を避けるための対応(受入れや引き抜きの自粛要請を含む)
  • 受入れ機関が会員であることの証明、公租公課の納付の啓発

あわせて、他の地域で働いている外国人を積極的に引き抜いて雇用することを自粛する申し合わせも、2019年に結ばれています。

協議会に加入しなければならないのは誰か

加入が必要なのは、特定技能外国人を受け入れる受入れ機関と、その支援を受託する登録支援機関です。飲食料品製造業分野の受入れ機関は事業所ごとの加入が原則で、加入していなければ特定技能外国人を受け入れられません。

受入れ機関は事業所ごとに加入する

飲食料品製造業分野では外国人が働く事業所(工場・店舗など)の名称と所在地で申請するため、同じ法人でも複数の事業所で受け入れるなら事業所ごとの加入が必要です。例外として、バックヤードで食料品を製造するスーパーマーケットは、外国人の雇用管理や支援を本社で担っていれば本社での加入が認められています。

一方、外食業分野は、外国人の雇用管理や支援を本社で担っていれば、店舗単位ではなく本社単位で加入できます。施設を多く持つ事業者ほど、どちらの分野で受け入れるかで手続きの量が変わります。

項目飲食料品製造業分野外食業分野
受入れ機関の加入単位事業所ごと(スーパーマーケットは雇用管理・支援を本社で担う場合に本社可)本社単位でも可(雇用管理・支援を本社で担う場合)
申請フォームで選ぶ分野受入れ機関はどちらか一方。両分野なら分野ごとに申請
登録支援機関片方の分野だけ支援する予定でも両分野で申請

※農林水産省「食品産業特定技能協議会に関して、よくある質問」と加入申請ガイドブック(2026年8月31日改訂)をもとに作成。

支援を全部委託する登録支援機関も加入が必要

支援計画の全部の実施を登録支援機関に委託する場合、委託先は協議会の構成員で、協議会と農林水産省の調査などに協力する機関でなければなりません。登録支援機関も、支援する外国人の在留申請の前に加入を済ませます。

登録支援機関は、どちらか一方の分野だけを支援する予定でも、飲食料品製造業分野と外食業分野の両方で申請する決まりです。委託先を選ぶ段階で加入済みかを確認しておくと安心で、給食事業者向けの比べ方は給食に強い登録支援機関の選び方で紹介しています。

加入していないと特定技能外国人を受け入れられない

協議会の構成員であることに加え、協議会や農林水産省が行う調査・指導に協力することも、飲食料品製造業分野で受け入れる基準に含まれています。加入していない場合だけでなく、加入後に協力しない場合も基準を満たさず、受け入れられなくなります。

また、協議会の審査で分野の対象外と判断されると雇用できません。自社の事業所が対象か迷うときは、加入申請の前に農林水産省へ問い合わせるよう案内されています。

協議会へはいつまでに加入すればよいか

2024年6月15日から、出入国在留管理庁への在留資格の申請の前に協議会へ加入し、加入証を申請に添付することが必須です。書類を出してから加入証の発行までおおむね2〜3か月かかるため、採用の目安がついた段階で申請します。

協議会の加入は、書類の提出から加入証の発行までおおむね2〜3か月かかります。候補者探しや雇用契約と並行して進めましょう。

在留資格の申請の前に加入証が必要

2024年2月15日に公布された告示に基づき、同年6月15日から協議会への事前加入が必須になりました。それ以前は、在留の許可を受けた日から4か月以内に加入すればよい取扱いでした。

現在は、加入証がないと在留資格の申請を進められません。採用が決まってから協議会の手続きを始めると、入社日が数か月遅れることがあります。

審査は書類提出後おおむね2〜3か月

事務局から届いたメールに必要書類を添付して返信してから、加入証の発行までおおむね2〜3か月です。現在は混雑のため書類の送付から審査開始まで数週間程度かかると案内されており、原則として順番の前倒しはできません。

また、稼働前の事業所は事業の実態を確認できないため加入できず、開業後の申請になります。新しい工場やセンターで受け入れる場合は、稼働開始から加入証の取得、在留資格の申請までの期間を逆算しておきましょう。

2人目以降は申請不要、事業所単位の加入なら事業所ごとに新規

同じ事業所で2人目以降を受け入れるときは、改めて加入申請をする必要はありません。登録支援機関が2社目以降の受入れ機関を支援する場合も同じです。

事業所単位で加入している場合は、同じ経営母体でも受け入れる事業所が別であれば新規の加入申請が必要です(外国人の雇用管理・支援を本社で担う外食業の事業者やスーパーが、本社単位で加入している場合を除く)。外国人の受入れの予定がまだない段階でも審査を受けることはできますが、協議会は受入れの目安がついた段階での申請を求めています。

加入申請の流れと必要書類

農林水産省の加入申請フォームから申請し、1〜2営業日ほどで届く事務局のメールに、誓約書2種と営業許可証の写し、業務内容と製品・設備・外観の画像を添付して返信します。審査に問題がなければ、加入証がPDFでメール送付されます。

Webフォームから申請し、届いたメールに書類を添付して返信する

申請フォームには、就労先の事業所名と所在地、代表者名、法人番号、日本標準産業分類、労働保険番号などを入力します。これまで従業員を雇っていない場合、労働保険番号は「雇用後加入予定」と入力します。

  1. 農林水産省の協議会ページから、受入れ機関用の加入申請フォームに入力して送信する
  2. 1〜2営業日ほどで届く事務局のメールに、件名を変えずに必要書類を添付して返信する
  3. 書類の不備や確認事項があれば、事務局から連絡が来る
  4. 審査が終わると、加入証がPDFでメール送付される(郵送はない)

事務局からは書類の受領連絡は届かず、不備がある場合にだけ連絡があります。送信した画面は、後日の確認のために保存しておくよう勧められています。

必要書類のチェックリスト

飲食料品製造業分野の受入れ機関が提出する書類は、次のとおりです。誓約書は2026年8月28日の運用要領改正で様式が更新されているため、最新の様式を使います。

書類内容
受入れに関する誓約書分野参考様式第13-1号(必須)
行動規範に係る誓約書協議会規約の別紙様式(必須。2026年9月1日以降の書類提出から)
営業許可証の写しフォームに記入した就労先事業所のもの(必須)
業務内容と画像メール本文に外国人の業務内容を書き、製品の画像2枚、製造加工設備・事業所外観の画像を各1枚程度添付
スーパーマーケットの場合従事する業務に関する誓約書(営業許可証は不要)

※農林水産省「加入申請ガイドブック(飲食料品製造業分野編)」(2026年8月31日改訂)をもとに作成。審査の過程で、ほかの書類を求められる場合があります。

営業許可証は、所在地と名称がフォームの入力内容と一致しているか、営業の種類が飲食料品製造業分野に当たるか、有効期限内かを確認されます。

営業許可証がない事業所の代替書類

営業許可証を取得していない事業所は、理由に応じて次の書類で代えます。

  • 営業届で事業が認められている場合:営業届の写し
  • 製造請負契約を結んでいる場合:業務請負契約書、注文仕様書(製造の詳細がわかる書面)、請負工程組織図
  • 以前、保健所から許可や届出は不要と言われた場合:改めて管轄の保健所に確認し、確認先の保健所名・担当者名・連絡先と不要な理由をメール本文に記載

製造請負は、発注元から独立した組織として製造を担う場合に対象になります。箱詰めや荷役など製造・加工に当たらない工程だけを請け負う場合や、人材派遣は対象外です。

入会金・年会費は当面かからない

食品産業特定技能協議会は、当面の間、入会金や年会費を徴収しないとしています。協議会の加入そのものに、受入れ機関の費用負担はありません。

ただし、在留手続きや登録支援機関への支援委託などに伴う費用は、手続きや契約の内容に応じて別途確認し、受入れ費用の全体を見積もっておきましょう。

加入後に求められることと守らなかった場合

加入後は、行動規範に沿った受入れ、協議会と農林水産省の調査などへの協力、登録内容の変更届が求められます。法令や規約、誓約に違反したり協力を怠ったりすると除名されることがあり、除名された場合は公表され、出入国在留管理庁に報告されます。

行動規範に沿った受入れと調査への協力

協議会の行動規範は、受入れ機関と登録支援機関に、主に次のことを求めています。2026年9月1日以降に加入申請の書類を出す受入れ機関は行動規範を守る旨の誓約書の提出が必要で、登録支援機関はこの誓約書の提出は不要ですが、行動規範は守る必要があります。

  • 入管・労働・社会保険の法令を守り、外国人の人権を尊重する
  • 悪質な仲介業者(ブローカー)や反社会的勢力との関係を断つ
  • 差別やハラスメントのない職場をつくり、技能と経験に見合った処遇(昇給など)を確保する
  • 言語や文化の違いを踏まえた労働安全衛生教育を行う
  • 大都市圏への過度な集中を避ける取組や、協議会・農林水産省の調査に協力する
  • 構成員の基準に合わなくなったときや、違反を把握したときは協議会に報告する

退職や転職について、協議会がアンケート調査を行う場合もあります。調査や照会が届いたら、期限内に回答できるよう担当者を決めておきましょう。

登録内容の変更と退会の届出

社名・所在地・代表者・担当者・メールアドレスが変わったら、加入証を添えて協議会のメールアドレスへ連絡します。社名・住所・代表者の変更は、履歴事項全部証明書の写しも必要で、外国人の追加受入れのたびに連絡する必要はありません。

特定技能外国人の受入れをやめ、今後も予定がない場合は退会を届け出ます。変更の届出をしない、または連絡が取れない構成員は、退会したものとみなされることがあるため、担当者の異動時は加入証と協議会とのやり取りを確実に引き継ぎましょう。

違反すると除名されることがあり、除名は公表される

除名の対象になり得るのは、法令・規約・入会時の誓約に違反したとき、協議会への協力を怠ったとき、協議会の信用を失わせる行為をしたとき、協議会で決まった措置をとらなかったときです。除名された場合は公表され、出入国在留管理庁へ報告されます。

加入証は、新しく受け入れるときだけでなく在留期間の更新のときにも必要な書類です。除名されると、すでに働いている外国人の受入れの継続にも影響します。

給食事業者が移管案に備えて協議会で確認すること

現在、病院・福祉施設などで働く施設内の給食は外食業分野、給食センターのような独立した集中調理施設は飲食料品製造業分野で協議会に加入します。2027年度から医療・福祉施設給食業等を飲食料品製造業分野で受け入れる案は2026年10月24日時点で決定しておらず、案を示した有識者会議の資料には、移管後の協議会の加入単位や手続きは書かれていません。

移管案の内容と背景は、特定技能「給食」の2027年度からの変更案で解説しています。

今は施設内の給食は外食業、給食センターは飲食料品製造業

外食業分野の加入申請ガイドブックでは、医療・福祉施設で営業許可証がない場合に集団給食施設の届出の控えなど、給食を製造していることがわかる書類を出すよう案内されており、施設内の給食は現在、外食業分野の手続きです。ただし協議会に加入できても、外食業分野の特定技能1号は2026年4月13日以降に受理した在留資格認定証明書の交付申請が原則不交付のため、加入と受入れの可否は分けて確認する必要があります。

一方、センター方式のセントラルキッチンや給食センターなど、独立した事業所で製造・加工する場合は飲食料品製造業分野の対象です。同じ給食会社でも配属先によって加入する分野が分かれるため、両分野の違いは特定技能の外食業と飲食料品製造業の違いで確認しておきましょう。

分野が変わると新たな加入申請が必要になる

現行のルールでは、外食業分野で受け入れてきた事業所が飲食料品製造業分野で新たに受け入れる場合、飲食料品製造業分野として新規に加入申請し、審査を受ける必要があります。

飲食料品製造業分野は事業所ごとの加入が原則で、審査には2〜3か月かかります。移管後もこの扱いが当てはまるなら、受託施設の多い給食会社は施設ごとの申請と時間を見込む必要があります。

移管後の加入単位や手続きは会議資料に書かれていない

2026年10月19日の有識者会議の資料には、協議会への加入単位、受付の開始時期、外食業分野で加入済みの事業者の扱いは書かれていません。病院や施設の厨房を受託して調理する場合の協議会の扱いも、同じ資料には記載がありません。

正式な決定と運用要領の改正が公表されたら、次の点を確認しましょう。

  • 施設ごとの加入が必要か、本社でまとめて加入できるか
  • 外食業分野で加入済みの事業所に、追加の手続きがあるか
  • 営業許可証がない施設で、どの書類を出せばよいか
  • 加入申請の受付がいつ始まるか

委託先の登録支援機関が加入済みかを名簿で確認する

農林水産省のページでは、協議会の構成員名簿(受入れ機関・登録支援機関)が公表されており、2026年10月5日に更新されています。委託を検討している登録支援機関が加入済みかは、この名簿で確かめられます(営利目的での利用は控えるよう求められています)。

給食業務の支援を任せる場合は、加入の有無とあわせて、制度変更の情報をどう共有してくれるかも確認しておくと安心です。

よくある質問

飲食料品製造業と外食業の両方で受け入れる場合、協議会への加入は1回で済みますか?
受入れ機関は1回では済みません。協議会は両分野の共同設置ですが、受入れ機関の加入申請フォームでは分野をどちらか一方しか選べないため、分野ごとに申請して審査を受けます。両分野で1回の申請にできるのは登録支援機関です。
加入申請を登録支援機関に代わりに入力してもらえますか?
受入れ機関が対応できない事情がある場合、登録支援機関が代行入力することは認められています。受入れ機関の了解を得たうえで行い、加入後に協議会から届く情報は受入れ機関へ必ず共有してもらいましょう。
採用日が迫っています。審査を早めてもらえますか?
原則として順番の前倒しはできません。書類提出から2か月未満の進捗の問い合わせも控えるよう案内されているため、審査期間を見込んで早めに申請するしかありません。
加入証をなくした場合はどうすればよいですか?
協議会のメールアドレスへ連絡して再発行を依頼します。案内では履歴事項全部証明書や営業許可証の添付が求められ、再発行には約1か月かかります。
育成就労でも同じ協議会に加入しますか?
育成就労には別に「食品産業育成就労協議会」があり、育成就労実施者は育成就労計画の認定申請より前に加入します。監理支援機関の加入は不要とされ、飲食料品製造業分野は加入受付を始めています。

当社は登録支援機関の合同会社エドミールと連携し、給食事業者の特定技能受入れ(飲食料品製造業分野への移管案への備えを含む)にも対応しています。協議会の加入から在留資格の申請までのスケジュールは、特定技能外国人の紹介・支援サービスやお問い合わせフォームから無料でご相談いただけます。

Service

製造業向けのサービス

Contact

お問い合わせ

まずはお気軽にお問い合わせくださいませ。
誠心誠意、対応させていただきます。