特定技能の外食業と飲食料品製造業の違い|仕事・事業所の判定と給食の扱い(2026年10月時点)

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特定技能の外食業分野と飲食料品製造業分野の大きな違いは、外国人が担当できる仕事と、働ける事業所です。外食業は調理・接客・店舗管理まで担当でき、飲食料品製造業は製造・加工と衛生管理が中心で、どちらになるかは会社単位ではなく事業所ごとに決まります。

2026年10月時点では、外食業分野の特定技能1号で、4月13日以降に受理した海外からの呼び寄せの申請が原則不交付です。医療・福祉施設給食業等を令和9年度から飲食料品製造業分野で受け入れる案も示されていますが、10月24日時点で決定していません。

武藤 拓矢

執筆者

特定技能外国人紹介・支援担当

武藤 拓矢(むとう たくや)

  • 申請等取次者
  • 外国人雇用管理主任者

合同会社エドミール代表。特定技能に特化した登録支援機関として、人材紹介から入社後の定着伴走まで支援。コミュニケーション量を重視し、長期定着につながる伴走を大切にしています。

外食業と飲食料品製造業の違いを比較表で確認

両分野は所管省庁・協議会・1号の日本語要件が共通で、違うのは業務区分、対象事業所、技能試験、受入れ見込数、2号の実務経験、受入れ状況です。外食業1号は2026年4月13日から在留資格認定証明書の交付停止措置がとられ、飲食料品製造業1号では停止措置は公表されていません。

項目外食業分野飲食料品製造業分野
1号の業務外食業全般(飲食物調理、接客、店舗管理)飲食料品製造業全般(酒類を除く飲食料品の製造・加工、安全衛生の確保)
主な就労先飲食店、持ち帰り・配達の飲食サービス、給食事業所など食料品製造業の工場、セントラルキッチン、給食センター、製造を行うスーパーなど
1号の技能試験外食業特定技能1号評価試験(当面は実施なし)飲食料品製造業特定技能1号評価試験
1号の日本語JFT-Basic または JLPT N4以上JFT-Basic または JLPT N4以上
1号の受入れ上限5万人(令和10年度末まで)13万3,500人(令和10年度末まで)
2号の実務経験営業許可を受けた飲食店で、2名以上を指導・監督しながら接客を含む作業に従事し、店舗管理を補助した経験(2年間)複数の従業員を指導しながら工程を管理した経験(2年以上)
2026年10月時点の受入れ4月13日以降に受理した在留資格認定証明書交付申請は原則不交付停止措置の公表なし(10月24日時点)

※出入国在留管理庁の外食業分野・飲食料品製造業分野のページ、両分野の分野別運用方針、農林水産省「特定技能『外食業分野』における受入れ上限の運用について」(2026年3月27日)をもとに作成。

受入れ状況は2026年10月時点で大きく違う

外食業分野の特定技能1号は、2026年2月末時点で在留者が約4万6千人(速報値)となり、上限の5万人を5月頃に超える見込みとなりました。そのため4月13日以降に受理した在留資格認定証明書の交付申請は原則不交付で、4月12日までに受理した分は上限の範囲で受付日順に交付されています(10月16日時点で2月6日受付分まで)。

飲食料品製造業分野の特定技能1号は、2025年12月末時点で93,393人(速報値)と特定技能の分野で最も多く、上限は13万3,500人です。2026年10月時点の在留者数は公表資料で確認できませんが、外食業のような停止措置は公表されていません。

両分野で共通している点

所管はどちらも農林水産省で、協議会は両分野が共同で設置する食品産業特定技能協議会です。受入れ機関は在留諸申請の前に加入が必要で、両分野の受入れ機関を支援する登録支援機関も加入します(加入の流れは飲食料品製造業の協議会への加入方法、支援を任せる登録支援機関の選び方は給食事業者向けの登録支援機関の比較で解説)。

1号の日本語要件も同じで、国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)または日本語能力試験(JLPT)N4以上です。飲食料品製造業分野そのものの要件や受入れの流れは、特定技能「飲食料品製造業」の解説にまとめています。

外国人が担当できる仕事の違い

外食業1号は、飲食物調理・接客・店舗管理を幅広く担当でき、配膳やレジ、シフト管理も業務に入ります。飲食料品製造業1号は、酒類を除く飲食料品の製造・加工と安全衛生の確保が業務で、接客や販売を主な業務にすることはできません。

給食や惣菜の現場でよくある作業を、両分野の業務区分に当てはめると次のとおりです。

現場の作業外食業分野飲食料品製造業分野
食材の下処理・加熱調理・盛付け飲食物調理として従事できる製造・加工として従事できる
衛生管理店舗管理として従事できる安全衛生の確保として従事できる
配膳・下膳・提供先との連絡接客として従事できる主な業務にはできない(付随的に行えるかは個別に確認)
レジ・売場での販売接客として従事できる主な業務にはできない(スーパーでは関連業務としても不可)

※運用要領(外食業分野・飲食料品製造業分野の基準)をもとに作成。関連業務に付随的に従事することは両分野とも認められています。

外食業は調理・接客・店舗管理まで担当できる

外食業の業務は3つに分かれ、飲食物調理は食材の仕込み、加熱・非加熱調理、調味、盛付けなど、接客は案内・配膳・下膳・代金受取りなど、店舗管理は衛生管理・シフト管理・発注などです。接客の例には「給食事業所における提供先との連絡・調整」も挙げられています。

1号は3つの業務に幅広く従事するのが原則ですが、職場の状況に応じて、在留期間の一部を調理担当だけに配置することも差し支えないとされています。

飲食料品製造業は製造・加工と衛生管理が中心

飲食料品製造業の業務は、原料の処理、加熱、殺菌、成形、包装などの製造・加工と、HACCPに沿った衛生管理などの安全衛生の確保です。スーパーの事業所で受け入れる場合は、協議会への加入時に販売業務に従事させない旨の誓約書を出します。

なお、令和9年4月1日以降は、業務区分が「飲食料品製造業」と「水産加工業」に分かれます。水産加工の現場で受け入れる場合は、新しい区分を前提に準備しましょう。

どちらの分野になるかを決める4つの判定軸

判定は、①事業所ごとに見る、②提供相手が食べる人か売るために仕入れる人か、③事業所の主な経済活動が製造か、④独立した製造の事業所かの4つで考えます。最終判断は、協議会への加入申請の前に農林水産省の窓口で確認しましょう。

  1. 外国人を配属する事業所を1つずつ書き出す
  2. 事業所ごとに、作った料理を渡す相手(食べる人か、売る事業者か)を確認する
  3. 事業所の売上げのうち最も大きい活動が、飲食料品の製造か飲食サービスかを確認する
  4. 独立した製造の事業所か、小売店や施設の中の一区画かを確認する
  5. 営業許可や特定給食施設の届出の種類と照らし合わせ、迷う点を窓口に問い合わせる

会社単位ではなく事業所単位で判定する

同じ会社でも、工場は飲食料品製造業、直営の店舗は外食業と分野が分かれることがあります。事業所とは、一区画で人と設備を持って継続的に活動している単位で、道路などで隔てられた別の場所は原則として別の事業所です。

給食会社なら、集中調理のセンター、病院や施設の中の厨房、社員食堂を、それぞれ別々に判定します。採用計画は「どの事業所に配属するか」から決めると、申請の分野を取り違えにくくなります。

  • 集中調理のセンター(独立した事業所):飲食料品製造業の対象
  • 病院・福祉施設・学校の中の厨房:現行は外食業の対象
  • 委託を受けて運営する社員食堂:外食業の対象

提供相手が「食べる人」か「売る人」か

外食業でいう客は、飲食料品を自分で消費する特定の者で、集団給食のように代理の者を通して注文する場合も含みます。一方、不特定の消費者に売るために仕入れる相手への提供は卸売に当たり、外食業の飲食サービスには含まれません。

「その場で食べるか」だけで決めると、持ち帰りや配達で迷います。作った料理を誰に渡すのかに、注文に応じて調理するのか製造して出荷するのかを合わせて考えると、判断がぶれにくくなります。

  • 病院の患者や施設の入所者に出す給食:施設が代理で注文する集団給食で、食べる人への提供(外食業の考え方)
  • 会社員が利用する社員食堂の食事:食べる人への提供(外食業の考え方)
  • スーパーやコンビニへ納める惣菜・弁当:売るために仕入れる相手への卸売(飲食料品製造業の考え方)

主な経済活動と独立した事業所かを確認する

飲食料品製造業の対象になるのは、事業所の主な経済活動(直近の売上高で判断)が食料品製造業などに当たる場合です。小売店が店内の一区画で製造するだけの場合は、主な活動が小売のため原則として対象外です(製造を行うスーパーなどは例外)。

外食業は逆に、飲食サービス部門の売上げが事業所全体の主でなくてもよく、宿泊施設内の飲食部門や医療・福祉施設内の給食部門で働かせることもできます。迷う場合は、保健所の営業許可や特定給食施設の届出の内容も手がかりになります。

セントラルキッチン・弁当・スーパー・給食はどちらになるか

セントラルキッチンと給食センター、卸売の弁当工場、製造を行うスーパーの事業所は飲食料品製造業です。仕出し・弁当屋、社員食堂、病院・福祉施設・学校の中で調理する給食は、2026年10月時点では外食業の対象です。

事業所の例2026年10月時点令和9年度の移管案(未決定)
外食企業のセントラルキッチン飲食料品製造業変更なし
集中調理の給食センター飲食料品製造業変更なし
小売店へ卸す弁当・惣菜の工場飲食料品製造業変更なし
注文を受けて届ける仕出し・弁当屋外食業変更なし
スーパーの加工場(製造を行う事業所)飲食料品製造業(販売は不可)変更なし
飲食店・社員食堂外食業外食業に残る
病院・福祉施設・学校の中で調理する給食外食業新規申請分は飲食料品製造業で受け入れる案

※運用要領(外食業分野・飲食料品製造業分野の基準)と第15回有識者会議資料2-2をもとに作成。最終的な判定は事業所ごとに確認してください。

セントラルキッチンと給食センターは飲食料品製造業

外食業の会社が運営する集中調理施設でも、セントラルキッチンや集中調理施設の給食センターのように独立した事業所で製造・加工を行うなら、飲食料品製造業の対象です。小売業者の専用工場(プロセスセンター)も同じ扱いです。

外食チェーンでは、店舗は外食業、センターは飲食料品製造業と分野が分かれます。店舗とセンターの間で人を異動させる計画があるなら、採用前に分野の違いを整理しておきましょう。

弁当は卸売型か仕出し型かで分かれる

工場で製造してスーパーやコンビニなどへ卸す弁当は、食料品製造業(すし・弁当・調理パン製造など)として飲食料品製造業の対象です。客の注文に応じて調理し、客の求める場所へ届ける仕出し料理・弁当屋や配食サービスは、外食業の配達飲食サービスに当たります。

販売相手は判断材料の一つで、客の注文に応じて調理し届けるのか、独立した製造の事業所で作るのか、事業所の主な経済活動は何かを合わせて判定します。製造した弁当を店舗を介さず通信販売などで消費者に直接売る場合も、飲食料品製造業の対象に含まれます。

スーパーのバックヤードは製造の事業所なら飲食料品製造業

総合スーパーと食料品スーパーは、青果・鮮魚・食肉の加工、ベーカリー、そう菜製造などの食料品製造を行う事業所が対象です。外国人は製造の業務に従事し、関連業務としてもレジや売場での販売はできません。

スーパー以外の一般的な小売店が店内の一区画で製造する場合は、原則として対象外です。食肉小売業や、菓子・パン・豆腐などの製造小売は、製造と販売が一体の業態として対象に含まれます。

社員食堂と病院・福祉施設・学校の給食は今は外食業

運用要領は外食業の就労先に給食事業所を挙げ、医療・福祉施設内の給食部門で働かせることも可能としています。病院や福祉施設、学校の中の調理場で働く人は、現行では外食業分野です。

令和9年度からの移管案では、店舗と社員食堂は外食業に残り、医療・福祉施設や学校等での調理が飲食料品製造業の側に加わる図が示されています。案の段階のため、施設内厨房の給食は現行どおり外食業として扱いましょう。

外国人本人の試験・日本語・2号の条件の違い

1号の技能試験は分野ごとに別で、外食業の1号試験は停止措置に伴い当面実施されません。技能実習から移るときに試験が免除される職種と、2号で求める実務経験の中身も分野ごとに違います。

技能試験は分野別で外食業1号は当面実施なし

外食業は外食業特定技能1号評価試験、飲食料品製造業は飲食料品製造業特定技能1号評価試験で、どちらも一般社団法人外国人食品産業技能評価機構(OTAFF)が実施しています。外食業の1号試験は国内外とも当面実施されず、2号試験は国内でCBT方式により実施されています。

そのため、新たに試験に合格して特定技能1号になるルートは、2026年10月時点では飲食料品製造業のほうが使いやすい状況です。

技能実習からの移行で免除される職種が違う

外食業は「医療・福祉施設給食製造」の技能実習2号を良好に修了した人が、技能試験を免除されます。飲食料品製造業は、そう菜製造業やパン製造、食鳥処理加工業など、同分野に関係する職種の技能実習2号の良好修了者が対象です。

給食製造の技能実習を修了した人は、現行制度では外食業に結び付いています。技能実習2号を良好に修了していれば、どちらの分野でも日本語試験は免除されます。

2号は実務経験の中身が違う

外食業2号は、2号評価試験とJLPT N3以上の合格に加え、食品衛生法の営業許可を受けた飲食店で、2名以上のアルバイトや特定技能外国人などを指導・監督しながら接客を含む作業に従事し、副店長などとして店舗管理を補助した2年間の実務経験が必要です。飲食料品製造業2号は、2号評価試験の合格に加え、複数の従業員を指導しながら工程を管理した2年以上の実務経験が必要です。

飲食料品製造業2号の日本語は、令和9年4月1日以降はB1相当以上が求められ、具体的な取扱いは別途案内されます。長く雇う予定なら、配属先でどんな指導経験を積ませるかを早めに決めておきましょう。

  • 外食業2号を目指す人:店舗で2名以上のアルバイトなどを指導・監督し、接客を含む作業と店長の店舗管理の補助を2年間任せる
  • 飲食料品製造業2号を目指す人:製造ラインで複数の作業員を指導し、工程を管理する役割を2年以上任せる

※外食業の2年間の実務経験は、経験を終えてから基本的に5年以内(10年を超えないもの)が想定されています。経過措置の対象になるかは、農林水産省の案内で個別に確認してください。

外食業の停止措置と給食の移管案で何が変わるか

外食業1号は、2026年4月13日以降に受理した在留資格認定証明書交付申請が原則不交付で、在留中の人の転職・更新と2号は審査が続いています。医療・福祉施設給食業等の新規申請を令和9年度から飲食料品製造業分野で受け入れる案が2026年10月19日の有識者会議で示されましたが、決定ではありません。

外食業で今も審査が続く手続

外食業分野で特定技能1号として在留している人が、転職などに伴って行う申請は通常どおり審査されます。在留期間の更新も通常どおりで、特定技能2号は停止措置の対象外です。

  • 技能実習(医療・福祉施設給食製造作業)からの変更:受付日が2026年9月30日までの申請は通常どおり許可
  • 外食業の特定活動(特定技能1号移行準備)からの変更:受付日が2026年9月30日までの申請は通常どおり許可
  • 上記以外の在留資格からの変更:2026年4月13日以降の受付分は原則不許可

※出入国在留管理庁「特定技能1号(外食業分野)の在留諸申請の審査状況」(2026年10月19日掲載)をもとに作成。10月以降受付分の技能実習・特定活動からの変更の扱いは、同ページに記載がありません。

受入れ再開の時期は未定とされています。在留中の人の転職受入れを検討する場合も、転職先の会社は事前に協議会へ加入しておく必要があります。

移管案で変わるのは医療・福祉施設や学校の給食

案では、学校教育、その他の教育・学習支援業、医療業、社会保険・社会福祉・介護事業の事業所で施設給食業を営む場合を、飲食料品製造業分野の対象事業所に加えます。理由として、接客の比率が低い事業所が多いことや、外食業分野での受入れ停止が挙げられています。

  • 対象に加える事業所(案):日本標準産業分類の中分類81学校教育、82その他の教育・学習支援業、83医療業、85社会保険・社会福祉・介護事業を営む事業所で、小分類773施設給食業を営む場合
  • 育成就労(案):外食業の主たる技能「医療・福祉施設給食製造」を飲食料品製造業の業務区分に付け替え

すでに外食業で働く人の扱いや具体的な開始日は、資料に記載がありません。案の内容と今後の見通しは特定技能の給食分野の2027年度の変更案にまとめています。

よくある質問

1人の外国人に外食業と飲食料品製造業の仕事を兼務させられますか?
本人が両分野の技能水準と日本語能力水準を満たし、受入れ機関が各分野の基準に適合していれば、法務大臣に複数の分野を指定してもらい、両分野の業務に従事できます。指定されていない分野の業務を行わせることはできません。
外食業の試験に合格した人を給食センターで雇えますか?
給食センターは飲食料品製造業分野の事業所のため、飲食料品製造業特定技能1号評価試験の合格など、同分野の技能水準を満たす必要があります。外食業の試験合格だけでは足りません。
外食業で働く人が飲食料品製造業の会社へ転職できますか?
分野が変わる転職では、新しい分野の技能水準と日本語能力水準を満たしたうえで、在留資格の変更許可を受ける必要があります。転職先の会社は事前に協議会へ加入しておきます。
店舗の厨房で調理だけを担当させる場合はどちらの分野ですか?
店舗は飲食サービス業の事業所なので外食業分野です。外食業1号は職場の状況に応じて、在留期間の一部を調理担当だけに配置することも差し支えないとされています。
分野の判断に迷ったらどこに相談すればよいですか?
農林水産省は、飲食料品製造業分野の対象事業所かどうか疑義がある場合、協議会への加入申請の前に問い合わせるよう案内しています。外食業分野の該当性も農林水産省の担当課が相談を受け付けています。

当社は登録支援機関の合同会社エドミールと連携し、給食事業者の特定技能受入れにも対応しています。事業所がどちらの分野になるかの確認や受入れ準備は、特定技能外国人の紹介・支援サービスやお問い合わせフォームから無料でご相談いただけます。

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